豪華ゲストを迎えたインパルス3作目のリリースが決定!
グラミー賞へのノミネート歴を持つハーピスト、ブランディー・ヤンガーがインパルスから3作目となるアルバムをリリースする。アルバムからタイトル曲「Gadabout Season」が先行公開されている。
『Gadabout Season』
2025年6月13日リリース
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1. Reckoning
2. End Means Feat. Shabaka
3. Gadabout Season
4. Breaking Point
5. Reflection Eternal
6. New Pinnacle
7. Surrender Feat. Courtney Bryan
8. BBL
9. Unswept Corners Feat. NIIA
10. Discernment Feat. Josh Johnson
ブランディー・ヤンガー、ベーシスト/プロデューサーのラシャーン・カーター、そしてドラマーのアラン・メドナードは、ツアー中に、「ガダバウト(gadabout)」=「どんな状況でも楽しみを探し求め、常に動き続ける気ままな快楽主義者」という言葉を耳にした。その言葉はツアーのテーマとなり、彼らの使命を言い表しているかのようだった。信頼できるコラボレーターとして20年来の歴史を共有する3人は、ステージ上でもステージ外でも、音楽、アート、食べ物、そして新しい体験を通して、常に喜びを追い求め、見出していた。
ヤンガーにとって、「ガダバウト」という言葉は癒しの力となった。この1年間、彼女は個人的な困難に直面してきた。だからこそ、「ガダバウト」のコンセプトは「人生は誰にでも起こること、そして苦難の中でも輝きを追求することが不可欠であること」ということを思い出させてくれた。
「幸せを表す曲を書こうと思った時、『Gadabout Season』が完璧なタイトルだと思いました。」
伝説的レーベル、インパルスからの3作目となる『Gadabout Season』は、これまでで最もパーソナルで探求的なアルバムである。ほぼすべての曲をブランディー・ヤンガー自身が制作した、思索的で想像力豊かな作品に仕上がった。
「このアルバムは、人生で最も複雑な瞬間の中で意味と美を探し求め、最終的により深い自己認識へと至る旅を反映しています。音楽的に『Gadabout Season』は他の作品よりもクリエイティブで少し知的な作品になっています」
アリス・コルトレーンやドロシー・アシュビーといったハープ界のレジェンドへの革新的な解釈で知られるヤンガーは、先人たちの言葉を継承しつつも、独自の作曲スタイルを確立して音楽を作り続けている。独学で作曲を学び、ジャズ、クラシック、オールドスクールR&B、ヒップホップといったハイブリッドな影響を本能的に受けている。
「この作曲プロセスは、私を徹底的に正直にさせてくれました。誰かの作品の陰に隠れるつもりはありません」
今作のほとんどはニューヨーク州北部の田園地帯にある従兄弟の別荘で書き上げられた。そこは彼女が集中できる場所で、平和と静寂に包まれ、鳥がさえずり、夜には星が見える場所であった。
やがて、ラシャーン・カーター、アラン・メドナードが加わり、プランがまとまった。カーターはヤンガーのハーレムのアパートでアルバム全体のプロデュースとエンジニアリングを行った。カーターはヤンガーの2つ目の寝室を間に合わせのスタジオに改造し、2024年の後半に数ヶ月かけて『Gadabout Season』を制作した。
「私はスタジオで1曲だけレコーディングすることに慣れているんです。このレコーディング・プロセスは時間をかけてアルバムのサウンドを明らかにし、発見の旅を反映させるために、意図的にゆっくりと行われました」
トリオは各セッションの終わりにアイデアをスケッチしたり即興演奏したりすることに時間を割き、それが 「Reckoning」「Discernment」「End Means」といったトラックを生み出した。
レコーディングの過程で、ヤンガーが「人生を変えた」と語るアリス・コルトレーンが所有していたハープに超越的な魅力を見出した。昨年、インパルスが共催した一連の注目のリリース、イベント、展示会シリーズ「ザ・イヤー・オブ・アリス」を記念してそのハープは修復され、ヤンガーはそのハープの所有者となった。ハープのエネルギーが彼女の演奏をどのように導いたかを振り返りながら、ヤンガーは楽器の威厳と力強さに見合う、「心地よさ」を得るまでには時間がかかったと説明する。
「このハープを自分のものにする必要があったのです。もちろんハープを弾くのは初めてではなかったけれど、この新しい音楽は私にとって唯一無二のものだったから、家でハープと一体化しなければならなかったのです」
『Gadabout Season』では、ヤンガーがエレクトロニックなテクスチャーやハープのテクニックを進化させ、プロデューサーのカーターが「アフロフューチャー主義的な音のパレット」と表現する作品に仕上げている。
また、素晴らしいゲストを迎え、サウンドの輝きが加速した。夢のような心地と探求心が交互に訪れるタイトル・トラック「Gadabout Season」は、ヤンガーの楽しく、風変わりな「外見上の個性」を表現したもので、ヴィブラフォン奏者のジョエル・ロスとパーカッション奏者のマカヤ・マクレイヴン、そしてシャバカがスタッカートのグルーヴの上にクラリネットのラインを描いている。
ブリテンの『キャロルの祭典』にインスピレーションを得た「Surrender」は、ピアニスト/作曲家で「マッカーサー・フェロー」にも選出されたコートニー・ブライアンのために書き下ろされた。コートニーはヤンガーと頻繁にコラボレーションしている。
「祭壇に向かい、すべてを捧げる瞬間を想起させます。私にとって、この曲はアルバムの中で最も心を揺さぶられる曲です。静かな降伏の中に慰めを求める曲です」
もう一つのハイライトである「BBL」は、軽やかでありながら、くすぶるような緊張感が漂う。
「この曲は音楽的な対決だと思っているんです。もし歌詞があったら、警告的になるでしょう。私は市民的な会話をする余地を残していません」
友人でありコラボレーターでもあるミシェル・ンデゲオチェロの進めで、サックス奏者のジョシュ・ジョンソンが「Discernment」に参加。彼のダビーなハーモニーは、サイケデリックな霞の中にクラシックソウルを想起させる。
シャバカは「End Means」のオーケストラにフルートを吹き込んだ。この参加は、ヤンガーも参加しているシャバカの最新作『美の恵み(Perceive its Beauty, Acknowledge its Grace)』に続くものだ。
「私たちはインパルスの連続体の一部だと思っています」
『Gadabout Season』はインパルスの歴史における喜ばしい新たな展開であり、世代を象徴するアーティストによる大胆なオリジナル音楽で知られるレーベルの評判をさらに高めている。
「少し立ち止まって、過去と今を振り返ってみると、本当に美しいものを感じます」